DEBT SERVICE債務整理
長澤弘法律事務所仙台の弁護士による債務整理のご相談
債務整理について
事業の失敗や浪費、あるいは病気などで、やむなく大きな負債を抱えてしまうことがあります。
昔は、債務整理の方法として、「夜逃げ」や「自殺」等の方法をとったり、強盗などの犯罪に走ることもよく見受けられたようです。
しかし、現代では、そのような方法は、自分も家族も離散して、将来を無くするものとして到底取りうるものではありません。
この債務整理のページでは、いかにきちんと債務整理をして、その後の生活を立て直していくべきか、という観点からいろいろな債務整理の方法について考えてみたいと思います。
債務整理の種類
一括弁済
この方法は、債務者本人に支払い能力がないことは明らかなので、親や兄弟、親戚、友人等が一括で債務を整理するお金を提供して行います。
この方法は、分割弁済のように長期にわたる分割金の返済が求められないこと、および通常はブラックリストに載らないこと等から、債務者の更生のためには極めて有効であると考えます。
しかしながら、債務を抱える人間は、多くの場合借金をすることに抵抗がないことが多いので、再び多重債務に陥ることがあります。
債務者の性格と多くの債務を抱えるようになった原因を明らかにしたうえで、一括弁済の方法をとることをお勧め致します。
分割弁済
一括弁済の資金を確保することができないけれども、かといって破産で清算することを潔しとしない債務者に、良く用いられる方法です。
毎月の収入や年収から、債務者の支払い能力を検討した上で、月々の弁済額を決めて債務を整理する方法です。
ただ、この方法は、よほどの事情がない限り、5年間60回の分割弁済を限度とします。
したがって、債務があまりにも多いと、一回の弁済額が多額になるので、支払い原資を作ることが困難なことがあります。
分割弁済による債務整理の限界だろうと考えています。
それでも信用情報が、ブラックになることはあるにしても、破産者の汚名は免れる点で、債務整理の方法として一般的であり、また多用されます。
弁護士が介入しての分割弁済は、元金の単純分割になることが多いので、利息をカットでき、支払いが楽になります。
これも、弁護士が介入した場合のメリットです。
個人民事再生
債務が多くて、全額の支払いはできませんが、自己破産の方法を選択することを潔しとしない債務者が保有する財産分や、2年分の支払える金額、そして債務の額の一定割合の一番大きな額を原則として3年の間に支払うことによって、残りの債務を免除してもらう債務整理の方法です。
多くの場合は、自己破産をすると住宅ローンもする必要があり、自宅を失うことになるので、住宅ローンはそのまま、ないし新たな弁済計画を立てて支払い、自宅を残す方法として良く用いられます。
会社の民事再生や、債務額や財産等が多額の民事再生は、前述の個人民事再生とは異なる方法で使われます。
個人民事再生では、原則として再生のための管財人はつきません。いずれにしても、債務者は、最低3年は一定額を債権者に支払わなければなりません。
ただ、債務全額の支払いでない点が、分割弁済とは異なります。
自己破産
一括弁済の原資がなく、また分割弁済を試みても1回の弁済金を用意することができない場合、あるいは個人民事再生を行うだけの資力がない場合には、不本意ながら債権者の方々に迷惑をお掛けしますが、自己破産という方法によって債務を無くする方法をとらなければなりません。
この自己破産は、多くの場合資格制限にかかり、職を失ったり、取締役の地位を失ったり、警備員や保険の外交員を辞めなければならなくなります。しかし、多重債務のままでは債務者は生きて行くことができないので、やむを得ずに自己破産の方法を選択することになります。財産がない場合には、簡易な同時廃止という手続で自己破産が認められますが、通常は財産の換価と債権者への配当手続等のために、破産管財人が選任されます。
以上が現在認められている債務整理の主たるものです。
もっとも、大会社では、会社更生という方法もありますが、それなりの規模がないと会社更生法の下での会社の再建は行われません。
前述のように、夜逃げや自殺の方法は、あまりにも悲惨な結果をもたらすことが多いので、苦しくても現在の住所にとどまって、債務整理の方法を選択することをお勧めします。
過払い金の返還請求について
債権者から提出された取引履歴を、利息制限法に基づいて引き直し計算をした時、払いすぎになることがあります。 これを過払い金といいます。債務があると思っていた債権者に対して、逆に過払い金の返還を請求することになります。 過払い金が、なぜ生じるかについては、法律論を理解しなければなりません。
法律論のお話は、依頼する弁護士からお聞きになってください。ただし、平成18年以降はほとんど過払い金が生じない利率に変わっていますので、それ以前に長い取引がある場合に過払い金の返還請求ができます。
また、継続して取引を行っていた場合は、最終支払い日から過払い金の消滅時効が進行するので、たとえば平成元年から取引を始めたとして、平成20年まで継続して取引をした場合、過払い金の消滅時効は平成20年の最終支払い日から進行します。
ちなみに、過払い金の時効期間は10年間です。
平成18年以前の取引が相当長期になる場合は、信じられないような過払い金が発生することがあり、債務整理が楽に進むこともあります。
債務整理の流れ
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債務者と弁護士の相談
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依頼を受けた弁護士による
各債権者への受任通知弁護士の受任通知によって、金融機関は債務者への 直接請求ができなくなります。
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弁護士の受任通知に対応する
債権者の取引履歴の開示 -
債務額の確定
弁護士は、債権者から提出された取引履歴に基づいて、 引き直し計算等をして、債務額を確定します。 その場合、過払い金が発生することもあります。
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債務額の確定により、
債務整理の方法が決定弁護士は、債務額と債務者の支払い能力や職業、年齢等を 検討して債務整理の方法を選択します。
解決事例
事例1一括弁済の例
Aは、会社員で給料が毎月金22万円程度でした。
Aは、株取引に手を出し、多額の借金を抱えてしまいました。
Aは、途方に暮れて、B弁護士に相談しました。
Aの相談を受けたB弁護士は、株取引による負債は浪費とみなされるので、自己破産しても債務が全部なくなることはないとAに話しました。
さらに、B弁護士は、この債務をなくするためには、全額を支払うか、分割で支払うか、あるいは民事再生の方法によるしかないとの方針を示しました。
Aの両親は、Aの債務の存在を相談され、これ1回と念を押して一括弁済の資金を提供しました。
一括弁済の原資を確保したB弁護士は、債権者各社にAの事情を説明して、元金の7割を支払い、残りを免除するように交渉しました。
債権者各社は、このままではAが破産することになってしまうと考えて、B弁護士の7割支払いの提案を受諾しました。
以上により、Aは多額な債務から免れることができました。
事例2分割弁済の例
Aは、B会社に勤務して10年になり、課長のポストに就いていました。
課長ともなると、付き合いが多くなり出費がかさむようになりました。
Aは、付き合いなどでお金が必要な時、すぐ返すというつもりで消費者金融Pから金10万円とか金20万円を借りるようになりました。
最初のうち、Aは、Pからお金を借りるとすぐ返済していましたが、だんだん返済が遅れるようになりました。
1年も過ぎると、AのPからの債務は金80万円にもなっていました。
消費者金融の利息を付けて金80万円を支払っても、元金は全く減らず、むしろ借金は増える一方で、Aの生活はどんどん苦しくなっていきました。
このような状態の時、AはB弁護士に債務整理について相談しました。
ただ、AはB弁護士に、できれば裁判所の手続によらないで、債務整理をしたいと考えていると話しました。法的な手続による債務整理は、何かの手違いで会社に知れることがあると考えたからです。
Aの話を聞いたB弁護士は、Aの債務額、Aの給料、一括弁済の原資を作れるか等を確認した上で、法的手段によらない分割弁済の方法をとることにしました。
B弁護士は、債権者各社に受任通知を出して、取引履歴を取り寄せて、Aが支払わなければならない債務額を確定しました。そして、Aの債務額が3年間で整理できるという判断の元に、3年間の分割弁済案を各社に提示しました。
債権者各社は、B弁護士の弁済案を異議なく承諾しました。
Aは、3年間きちんと分割弁済を行い、借金に追われる生活にピリオドを打ちました。
事例3民事再生の例
Aは、B会社の社員でした。
住宅ローンも3年ほど前に組んで、自宅を建てていました。
Aには、妻Cと子Dがありました。
親子3人の生活と住宅ローンの支払い等から、Aは消費者金融から借入をしなければならない状態でした。
その状態は、住宅ローンの支払いや生活費のためにさらに借入をしなければならない状態でした。
このような状態になると、債務が雪だるま式に増加することは一般的であり、Aの場合もそのようにして債務がどんどん膨らんで行きました。
生活費にも事欠くようになったAは、債務整理を考えましたが、妻Cはどうしても住宅を手放すことはできないと頑なに言い続けました。
Aも妻Cと同じように考えたので、弁護士に相談してみようと思いました。
Aの相談を受けた弁護士は、住宅ローンを払い続けて住宅を残し、その他の債務を一定割合でカットし、その残った債務を3年間で分割して支払い、残りの債務の免除を受ける制度である給与所得型個人民事再生の手続が妥当であると考えて、その方法をAに進めました。
住宅ローンは、現在のまま払い続ける方法を選択し、Aの給料から導き出される可処分所得の2年分と保有財産の額、それと債務の額によって決まる支払わなければならない額の一番大きな額を分割して、3年で支払うということにしたのです。
少なくても、この給与所得型個人民事再生の方法によれば、債務の支払いに余裕ができるので、住宅ローンを無理なく支払えるようになり、また家族3人の生活費も確保することができるようになりました。
3年経って債務の分割弁済を終えたAは、新しい生活の一歩を踏み出すことができました。
事例4自己破産の例
住宅ローンの残っている自宅を保有していたAは、妻Bが働きに出ていたこともあって、それまでの自由にものを買い、自由に外で外食をし、そして旅行にもよく出かけている生活が当たり前になっていました。
Aの退職後、収入は年金になり、妻Bの収入にも頼らなければ、住宅ローンも払えないような状態に陥りました。
AもBも住宅を手放すことは、絶対にできないと思っていました。
そこで、AもBもこれまでの生活を改めて、質素な生活をしようとしていました。
しかし、長年続いていた自由にお金を使う生活が身に染み込んでいたので、なかなか生活を質素なものとすることはできませんでした。
多額の債務に悩まされたAは、弁護士に債務整理の相談をしました。
弁護士は、住宅ローンやその他の債務の額と、A夫妻の収入と生活費を確認すると、A夫妻では到底この債務を返済することはできないので、自己破産の方法をとるしかないと説明しました。
また、その時弁護士は、Aに高齢であり、これからの出世等は考えられないし、また破産の弊害も若い人ほど無いので、住宅やメンツにこだわる必要はないのではないかとも話しました。
AもBも弁護士の説明を聞いても、自己破産の手続をとることになかなか同意しませんでした。
しかし、債務の支払いに追われる日々が続いたことから、A夫婦はやむを得ず自己破産の手続をとることを申し出ました。
自己破産の手続中は、債務の支払いはありません。
そして、自己破産の手続に1年半ほどがかかり、全て自己破産の手続が終わりました。 AとBは、自己破産の手続が終わったことから、弁護士にあいさつに来ました。
AとBは、弁護士になぜもっと早く自己破産の手続をとれば良かったと嬉しそうに言いました。
AとBの話では、自己破産の手続が始まってからは、債務に追われることはなく、債務に追われていたこれまでの自分たちが何だったのだろうかと考えるようになったとのことでした。
自己破産が、債権者の債権をゼロにする制度であることで、世間に多大な迷惑をかけるものであることは、言うまでもありません。
しかし、自己破産の手続によって生きる力を取り戻すこともあるのです。
弁護士からのひとこと
払うことが困難な多額の債務を抱えていると、そのことが頭の大半を占めて、まともな生活をすることができなくなるのが、多重債務者の常です。
そのような状況の中で、1人で判断すると間違った結果をもたらすことになります。
多重債務に陥ったことは、誉められることではありませんが、多重債務に陥った人間でも、人間らしく生きるために賢い債務整理が必要です。
当事務所では、多重債務を抱えて苦しんでいるあなたのために、適切な債務整理の方法を選択し、その手続のお手伝いをさせていただきます。
当事務所は、そのような方の支えになりたいと考えております。
気軽にお電話ください。
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報われない人に光をあてたい ともにたたかう法律事務所です。
長澤弘法律事務所
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経歴
早稲田大学法学部卒業
弁護士(仙台弁護士会 登録番号:21080)取扱分野
- 不動産に関する紛争(賃貸借契約、売買)
- 離婚問題 建築に関する紛争(近隣問題、請負代金請求等)
- 債務整理(任意整理・民事再生・倒産)
- 交通事故問題 家族に関する紛争(相続・遺言・成年後見)
- 刑事事件
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弁護士長澤 弘