COLUMN弁護士コラム

2022.11.07

免震構造のマンションについて

当事務所は、免震偽装されたマンションに関する相談を受けた事があります。
免震偽装されたマンションは、免震積層ゴムの交換工事を余儀なくされるのがほとんどですが、場合によっては、取り壊す事もあるようです。

ところで、当事務所が相談を受けた例では、免震積層ゴムの交換工事は、1年6ヶ月を要しました。
むろん、免震積層ゴムの交換工事は、長期間を要するのみならず、多くの人手と多額の費用が必要です。
免震偽装されたマンションの免震積層ゴムの交換工事費用は、免震積層ゴムの性能偽装した会社が負担するのが原則とされています。当然の事だと思います。

当事務所は、免震偽装されたマンションについて相談を受けている中で免震積層ゴムの寿命が60年だという事を知りました。
当事務所は、免震構造の中核をなす免震積層ゴムの寿命が60年だというのを聞いて60年後に免震積層ゴムの交換工事をしなければならないとしたら、その費用は、誰が負担するのであろうかという疑問を持ちました。

また、寿命の時期になった免震積層ゴムの交換工事に際して退去を余儀なくされた場合の引越し費用や退去した場合の引越し先の住居を確保する費用等は、誰が負担するかが問題になると思いました。

現在のマンションのディベロッパーは、マンションを売るとその後一切そのマンションと関わりを断つのが一般的だと思われますから、ディベロッパーが費用を負担するとは考えられません。
そうだとすると免震積層ゴムの交換工事の費用は、管理組合、最終的には区分所有者がその費用を負担しなければなりません。

この事から、免震構造のマンションの管理組合は、免震積層ゴムの交換工事を行なう場合に備えた手当が必要だと思います。
何故なら、免震積層ゴムの交換工事費用をそのマンションの区分所有者に負担してもらうとした場合、区分所有者1人当たりの負担が多額になると思われるからです。

免震構造で支えられているマンションは、確かに地震が来てもあるほとんど揺れないと言われていますが、その購入に際しては免震積層ゴムの交換工事の費用を負担しなければならない事が不可避である事も検討した上で購入するか否かの決断をすべきではないかと思います。

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