COLUMN弁護士コラム
2013.07.11
交通事故による、高次脳機能障害の損害賠償請求
平成19年12月の、神戸の交通事故による、高次脳機能障害の
損害賠償請求の件。
外資系の損保会社が加害者の保険会社であたったケースで、
被害者が高次脳機能障害で、全介助の状態で一年後に亡くなった
ケースを当事務所で扱い、外資系の保険会社は被害者の
高次脳機能障害の診断書等を全く入手せず、かつ、損害保険料
保険料率算出機構の審査会で、交通事故と死亡との因果関係が
無いという決定を受けていた。
当事務所は、神戸に出向き、被害者が病院を退院後入所していた
療養施設、主に交通事故の障害の治療にあたった病院の医師、
最後に入院した病院の医師を訪れ、直接担当した医師に
後遺症についての診断書や生活状況等を作成してもらい、
自賠責保険に損害賠償請求をしたところ、高次脳機能傷害
第一第1級1号に該当するとの認定を受け、損害賠償金として
約金3400万円の支払を受けた。
外資系の保険会社は、当事務所に対し支払える額は
障害による金60万円余だけであると述べていた。
神戸の当該簡易裁判所は、罰金20万円の量刑であった。
理由は、被害者の家族が比較的加害者を非難していなかったことと、
保険会社が確実に損害賠償をするということであった。
外資系保険会社は、契約者から高額の保険料を受領しているのに、
全く損害賠償請求の手続きを行わず、契約者の信頼を裏切り、
検察庁の信頼を裏切り、そして遺族の方に精神的な苦痛をもたらした。
かかる外資系の保険会社は、契約者に契約金を返還し、
被害者の遺族に慰謝料を支払うという義務はないのであろうか。
外資系保険会社に、ペナルティーを課さなければならない
事案と考えるが、いかがなものだろうか。